精製を進め、ショ糖の純度を限りなく高め、さらに精製を進めることで透明度は増し、ショ糖はショ糖同士で結合しようとする性格をもつため、結晶はより大きくなります。明治13年に日本橋本町で創業した岡常は、平均粒径3.7ミリにまで精製を進めた白ザラ糖に、比類なき大きさという意味を込めて「鬼ザラ糖」の名を冠しています。
鬼ザラ糖
砂糖は熱を加えることにより八の姿を現します。融点は103度で109度まで温度が上がるごとに、シロップ、フォンダン、キャラメル、タフィー、ドロップ、べっこうあめ、カラメルソース、カラメルとさまざまな料理・食品に適応する色と形態に変化するのです。
変幻自在
保水力
砂糖の大きな特徴のひとつに親水性があります。結晶化した砂糖が水を抱え込む役割を果たすことで、食感を整えやすくなったり、保存性が高まったりと、食品に対してさまざまな効果を与えることが確認されています。
東京・日本橋本町は江戸時代から薬種問屋の町として知られ、現在も数々の製薬会社が社屋を構えています。医薬の祖神とされる大穴牟遅神、いわゆる大黒様少名毘古那神といった薬祖神を祀る神社や社殿も数々見られます。砂糖は古来薬種のひとつとして捉えられてきた食品でした。日本橋は製糖会社、砂糖門屋が今も数多く存在する街でもあります。
日本橋
砂糖の成分はショ糖。果糖とブドウ糖とが結びついたものです。このショ糖は植物中にのみ蓄えられる天然成分。特にたくさんショ糖を蓄えているのがさとうきびや甜菜です。
植物由来
砂糖を精製する過程ではショ糖以外のミネラル類などの成分が取り除かれていき ます。一方、さとうきびの搾り汁を濃縮し、ミネラル類などを除くことなくコクや風味を残したものがいわゆる黒糖です。
黒糖